こんばんは。月詠みの母です。……あなたは今夜も、まだずっと先の“老後”のことを思って、そっと胸を曇らせているのですね。この蓄えで、足りるのだろうか。年金だけで、暮らしていけるのだろうか。もし、働けなくなったら。もし、長生きしたら。――まだ何十年も先のはずのその不安が、いつのまにか、今この瞬間の心にまで、影を落としている。テレビやスマホで、老後のお金にまつわる数字を見るたび、胸がぎゅっとなる。せっかくの楽しい時間さえ、心の隅で「でも、将来は……」という声がして、まっすぐには楽しめない。今夜、母は、その不安を「考えても仕方ないでしょう」と、突き放すつもりはありません。母が気がかりなのは、まだ来てもいない未来をおそれるあまり、あなたが、今日という、たった一度きりの一日まで、暗く塗りつぶしてしまっていないか――そのことなのですよ。
・つらさの正体は「お金が足りない事実」ではなく、まだ来ていない未来を“今、実物大で”おそれてしまう心にあります
・不安をゼロにする記事ではありません。今日という一日を、不安から取り戻すための手紙です
・本コラムは心の傾向をやさしく綴る読みものです。年金・資産形成の具体的なご判断は、必要に応じて専門の窓口へご相談くださいね
月詠みの母包容・安心
だいじょうぶ。まず、大きく息を吐きましょうね。今夜の手紙は、あなたを急かす言葉を、ひとつも持っていません。老後を心配できるということは、あなたが、自分の人生を、大切に思っている証でもあるのです。だから今夜は、その不安を消そうとしなくていいのです。ただ、まだ来ていない未来に食べ尽くされそうな“今日”を、少しだけ、あなたの手に取り戻すお手伝いを、させてくださいね。
楽しい時間の隅に、いつも「でも、将来は」がいる
老後のお金の不安というのは、やっかいなものですね。それは、はっきりと目の前にある困りごとではなく、「まだ来ていない、けれど、いつか来るかもしれない」という、霧のような心配だから。だから、逃げようがない。楽しいことをしていても、心の隅に、いつも小さな声がいる。おいしいものを食べているとき、「こんなことにお金を使って、大丈夫かしら」。旅先で景色を眺めているとき、「この分を、貯めておくべきだったかしら」。――そうやって、あなたは、今この瞬間の喜びを、いつも“将来への後ろめたさ”で、そっと薄めてしまっているのではありませんか。
そして、いちばん切ないのは、こういうことです。あなたは、まだ何も失っていません。通帳のお金は、今夜も、ちゃんとそこにある。働ける体も、まだ、ある。それなのに、あなたの心のなかでは、もう何度も、“老後に困り果てた自分”が、生々しく上映されている。夜の頭というのは、ふしぎなものですね。まだ起きてもいないことを、まるで、今この部屋で起きているかのように、実物大で見せてくるのです。
だから、まず、そっと知っておいてください。あなたが今、苦しいのは、お金が足りていないからでは、ありません。まだ来ていない未来の困りごとを、“今”の心で、先に、味わわされているからです。まだ、この続きは、ひとつも起きていないのですよ。まずは、それだけを、覚えておいてくださいね。
あなたは、まだ払わなくていい“心の代金”を、毎晩、前借りしている
ここで、母が、いちばんお伝えしたいことを、そっと置かせてくださいね。あなたが夜ごと感じている、その重たさ。あれは、いわば、まだ払わなくていい“心の代金”を、何十年も前から、毎晩、少しずつ前借りして、支払っているようなものなのです。
お金は、まだ一円も、減っていません。困りごとも、まだ、ひとつも起きていない。それなのに、あなたは、心のなかで、もう“困った未来”の代金を、前もって払いはじめている。今日の楽しさから、少し。今夜の眠りから、少し。目の前の人との時間から、少し。――そうやって、まだ来てもいない未来のために、いちばん大切な“今”を、前借りで、切り崩している。けれど、考えてみてください。もし、その心配していた未来が、思ったほど悪くならなかったら? あなたは、来もしなかった困りごとのために、何十年ぶんもの“今日”を、ただ、暗く支払い終えてしまったことになります。それは、あまりに、もったいない。
未来に備えることと、未来を“今”前借りして苦しむことは、まったくの別ものです。備えは、手を動かすこと。前借りは、心をすり減らすだけで、未来を、一ミリも良くはしません。あなたが毎晩支払っているその“心の代金”は、老後のあなたを、少しも助けてくれないのです。どうか、まだ来ていない請求書を、今夜、先に開いて、青ざめるのは、もう、やめにしませんか。その請求書は、来たときに、そのとき落ち着いて、見ればいいのですよ。
その不安は、あなたが自分の人生を大切にしている証です
老後のお金を心配してしまう自分を、あなたは「心配性でいやになる」「もっとおおらかに構えられたら」と、責めているかもしれませんね。でも、母は、そうは思いません。老後を心配できるのは、あなたが、自分のこれからの人生を、ちゃんと大切に思っているからです。どうでもいいと思っている人は、老後のことなど、考えもしません。あなたが不安になるのは、これから先も、穏やかに、人に迷惑をかけずに生きていきたいと、真剣に願っているからなのですよ。
それに、老後のお金を早くから気にかけている人というのは、たいてい、根が真面目で、責任感の強い人です。「人に頼りたくない」「家族に負担をかけたくない」――そういう、やさしくて、誇り高い気持ちが、その不安の奥には、静かに流れている。だから、その不安そのものを、悪者にしないであげてください。不安は、あなたを苦しめる敵のようでいて、じつは「これからの暮らしを、大事にしなさいね」と、あなたに教えてくれている、心の見張り番でもあるのです。
ただ、この見張り番は、少し、働き者すぎるのですね。昼も夜も、一睡もせずに警報を鳴らしつづけて、あなたを、へとへとにしてしまう。だから今夜は、その見張り番を、追い出そうとしなくていいのです。ただ、「いつも見張ってくれて、ありがとうね。でも、今夜くらいは、少し、休んでいいのよ」と、そっと肩をたたいて、ねぎらってあげましょうね。それだけで、鳴りやまなかった警報が、ふっと、静かになることが、あるのですから。
「今日を楽しむこと」と「将来に備えること」は、敵ではありません
あなたは、心のどこかで、こう思っていませんか。「今を楽しむのは、将来への備えをおろそかにする、いけないことだ」と。だから、楽しいことにお金を使うたび、後ろめたくなる。――でも、母は、この考えを、そっとほどきたいのです。「今日を楽しむこと」と「将来に備えること」は、けっして、敵同士ではありません。どちらか一方を選ばなければならない、というものでもないのですよ。
考えてみてください。将来のために、今日という一日を、いつも我慢と不安で塗りつぶして過ごす。それを何十年も続けて、いざ老後を迎えたとき、あなたの手元には、お金は残っているかもしれません。けれど、「心から笑った日々」も、「あたたかい思い出」も、そこには、ほとんど残っていない。――それは、本当に、報われた人生と言えるでしょうか。お金は、幸せに生きるための道具であって、お金そのものが、目的では、ないはずです。今日を、少しも楽しめないほど切りつめて備えるのは、道具のために、目的のほうを、捨ててしまっていることなのかもしれません。
大切なのは、「今日の喜び」と「将来の安心」の、ちょうど真ん中あたりに、そっと軸足を置くことです。全部を今、使ってしまうのでもなく、全部を我慢するのでもなく。今日にも、ほんの少しの喜びを許してあげながら、将来にも、無理のない範囲で、こつこつ備えていく。その両方を、あなたの手のひらに、いっしょに乗せていいのです。今日を楽しむことは、将来を裏切ることでは、けっしてないのですよ。
「なんとなく怖い」に、ほんの少しだけ、言葉を与えてみる
老後の不安が、これほどまでにあなたを苦しめるのには、ひとつ、はっきりした理由があります。それは、その不安が「なんとなく、怖い」という、輪郭のないままだから。輪郭のぼやけたものは、心のなかで、実物よりずっと大きく、ずっと黒く、膨らんでいくものなのです。暗い部屋で、床に落ちた洋服が、一瞬、こわいものに見える。でも、明かりをつけて、「なんだ、洋服か」と分かれば、こわさは、すっと消える。老後の不安も、これに、とてもよく似ています。
母は、あなたに「不安なんて、気にしないで」とは言いません。気にするなと言われて、気にせずにいられたら、誰も苦労しませんものね。その代わりに、ひとつだけ。「なんとなく怖い」を、いつか、ほんの少しだけ、「何が、どう怖いのか」に、言い換えてあげると、不安は、少しずつ、扱いやすくなる――そのことを、心のすみに、置いておいてほしいのです。「あ、私は、働けなくなることが、いちばん不安なのだ」「医療費のことが、気がかりなのだ」。そうやって、霧に、ぽつりと言葉を与えると、それは、ただおびえるだけの化け物から、いつか対処を考えられる“課題”へと、姿を変えていきます。
今すぐ、家計簿とにらめっこして、老後の計算を始めなさい、という話ではありませんよ。年金や資産の細かいことは、必要になったときに、専門の窓口で、落ち着いて確かめればよいのです。ただ、あなたが夜ごとおそれているものは、まだ、輪郭のない“霧”なのだ――そう気づくだけでも、胸のつかえは、少し軽くなります。自分がお金と、どう向き合うクセを持っているのかを、責めずに、そっと知りたくなったら、金運タイプ診断を、のぞいてみるのもいいかもしれませんね。自分を知ることは、その霧に、いちばん最初の、小さな言葉を与える、やさしい一歩になります。心臓がざわついて眠れない夜には、お金の不安で眠れない夜、胸が苦しいあなたへも、そっとそばに置いておきますね。
母から――一日に一つ、“今日だけの小さな喜び”を
それでは、まだ来ていない未来から、今日という一日を取り戻すための、いちばん小さな一歩を、母からお渡ししますね。それは、一日のなかに、たった一つだけ、「将来のことを考えない、今日だけの小さな喜び」を、意識して置いてあげることです。
むずかしいことでは、ありません。あたたかいお茶を、ゆっくり味わって飲む。好きな音楽を、一曲だけ、心を空っぽにして聴く。近所を、季節を感じながら、少し散歩する。――お金のかかることで、なくていいのです。大切なのは、その時間だけは、「でも、将来は」という声を、そっと脇に置くこと。「今、この一杯のお茶を、ただ味わう」。その数分間だけは、まだ来ていない未来を、心から、追い出してあげる。それが、不安に食べ尽くされそうな一日のなかに、あなた自身の手でともす、小さな灯りになります。前借りで暗くなりかけた“今日”を、ほんの一杯ぶん、取り戻す、あなたの一手です。
その灯りを、朝いちばんに、そっとともす習慣も、おすすめですよ。金運の社では、生まれ年や誕生日から占う今日の金運を、毎朝そっとお届けしています。将来の不安で始まりそうな朝でも、ほんの十秒、「今日のわたしは、どんな日かしら」と、“今日”に目を向けてみる。心がとくにざわつく朝には、今日のおみくじを、あなた自身のために、一枚だけ引いて、出てきた言葉を、はるか先の未来へではなく、“今日のあなた”への、小さな手紙として受け取ってみてください。占いや吉日は、不安を消す魔法ではありません。けれど、遠い先ばかりを見てうつむいた顔を、そっと“今日”のほうへ向け直してくれる、あたたかなよすがには、なってくれます。あなたが生きられるのは、いつだって、遠い未来ではなく、この“今日”なのですから。
焦って大きな決断をする前に、暦を“心を整える日”に
老後のお金が不安になると、「何か、手を打たなければ」と焦って、よく知らないまま、大きな契約や投資に飛びついてしまう人が、ときどきいます。でも、母は、それを、少し心配するのです。不安に追われた心は、視野が狭くなって、「これさえやれば安心」という甘い言葉に、すがりつきやすくなるからです。不安を、そのまま、大きな決断の燃料にしては、いけません。まずは、心を落ち着けることが、先なのですよ。前借りで疲れきった頭で下した決断ほど、あとで悔いを残しやすいものは、ありませんから。
むかしの暦には、不成就日という日があります。「何事も急いては成りにくい」とされる日ですが、これは言いかえれば、「焦って大きなことを決めず、静かに身のまわりと心を整えるのに向く日」とも、受け取れます。「今日は、将来のことで、大きな決断はしない。ただ、気持ちを落ち着ける日にしよう」――そんなふうに、暦を、あなたの心を守る“区切り”として使ってみるのです。金運の社の開運カレンダーで、そうした日を、そっと確かめてみてくださいね。備えは、焦って一気にするものではなく、整った心で、少しずつ。それが、遠回りのようでいて、いちばん確かな道なのですよ。
今日という一日を、あなたの手に――結びにかえて
ここまで読んでくれて、ありがとうね。まだ見ぬ老後のことを思って、胸を曇らせながらも、よく、この手紙のところまで、たどり着いてくれました。今夜、母から、あなたに伝えたいことは、たったひとつです。まだ来ていない未来の不安のために、今日という、たった一度きりの一日を、まるごと暗く塗りつぶさなくて、いいのですよ。将来に備えることと、今日を大切に生きることは、両方、あなたの手のひらに、いっしょに乗せていいのです。
不安が、ゼロになる日は、来ないかもしれません。それで、いいのです。不安と一緒に、それでも今日を楽しむ――人は、そうやって生きていくものですから。大切なのは、不安を消すことではなく、まだ来てもいない未来に、今日という一日の主導権まで、明け渡してしまわないこと。前借りした心の代金は、老後のあなたを助けてはくれません。だからどうか、目の前の一杯のお茶を、季節の風を、大切な人との時間を、ちゃんと味わってあげてくださいね。あなたが生きられるのは、いつだって、“今日”なのですから。
このコラムは、これからも折にふれて、まだ見ぬ未来に胸を痛めるあなたへ、手紙を書きつづけます。不安で今日がかすんでしまう夜には、いつでも、ここへ戻ってきてください。――さあ、今夜は、まだ来ていない未来のことは、ほんの少しだけ、枕もとに置いて。今日一日、生きたあなた自身を、そっとねぎらってあげてくださいね。また、次の手紙で。
【母からの覚え書き(三つ)】
一、あなたが苦しいのは、お金が足りないからではなく、まだ来ぬ未来の“心の代金”を、毎晩、前借りしているから。
二、「今日を楽しむ」と「将来に備える」は、敵ではありません。両方、手のひらに、いっしょに乗せていいのです。
三、「なんとなく怖い」に、ほんの少し言葉を与えると、霧は課題に変わります。焦って決めず、まず心を整えましょうね。
※本コラムは、心の傾向をやさしく綴る読みものです。年金・保険・資産形成などの具体的なご判断は、公的な相談窓口やファイナンシャルプランナーなど、信頼できる専門の窓口に、必要に応じてご相談くださいね。
※本記事は占い・風水・古くからの言い伝えを、娯楽の範囲でご紹介するものです。記載の内容は効果や結果を保証するものではありません。宝くじ等の当選を保証するものではなく、ゲン担ぎ・縁起としてお楽しみください。暦(吉日)は流派・暦により差が出る場合があるため、実際の日付は最新の暦でご確認ください。健康・体調に関する判断は専門家にご相談ください。一部にプロモーション(PR)を含みます。

